羽島郡笠松町北及1780−1 笠松町運動公園東側、松枝保育所西側すぐ

歯の痛み

以下の症状がある場合は、歯科医院への受診をお勧めします:

  • 冷たいものや熱いものがしみる:温度刺激に対する痛みは、エナメル質が薄くなっているか、象牙質が露出している可能性があります
  • 甘いものを食べたときに痛みを感じる:これは初期の虫歯のサインかもしれません
  • 噛むと痛みがある:歯の内部まで虫歯が進行している可能性があります
  • 自発痛(何もしていないときに痛む):虫歯が神経(歯髄)に近づいているか、すでに感染している可能性があります
  • 歯の色が変わった:黒ずみや茶色の変色は虫歯の兆候かもしれません
  • 口臭が強くなった:虫歯や歯周病が原因かもしれません
  • 詰め物や被せ物が取れた:その下に新たな虫歯ができている可能性があります
 

特に注意が必要な症状:

  • ズキズキとした激しい痛み:歯髄炎の可能性があります
  • 頬が腫れている:歯の根の部分に膿がたまっている可能性があります(根尖性歯周炎)
  • 熱が出ている:歯科感染症が全身に影響している可能性があります
 

 痛みがあってもすぐに治まったからといって問題が解決したわけではありません。痛みが消えたことは、むしろ神経が死んでしまったことを意味することもあり、その場合は感染が進みながらも自覚症状がないまま悪化する可能性があります。痛みを感じたら、それが一時的に収まったとしても、できるだけ早く歯科医院を受診することをお勧めします。

来院時の検査:何が行われるのか

問診

 まず、どのような症状があるのか、いつから始まったのか、どのような時に痛みを感じるのかなど、詳しくお聞きします。また、全身の健康状態や服用中のお薬についても確認します。これは治療計画に影響する重要な情報です。

視診・触診

 歯科医師が口腔内を直接観察し、問題のある歯やその周囲の状態を確認します。歯の変色、欠けている部分、詰め物の状態などをチェックします。また、歯茎の状態や口腔粘膜の健康状態も確認します。

レントゲン検査

 通常、小さなレントゲン写真(デンタルX線)を撮影して、肉眼では見えない虫歯の深さや根の状態を確認します。これにより、虫歯が歯の神経にどれだけ近づいているかを把握できます。

CT検査

 必要に応じて、歯科用CTスキャン(CBCT:Cone Beam Computed Tomography)を行うことがあります。従来のレントゲンは2次元の画像ですが、CTスキャンでは3次元の画像が得られます。これにより:

  • 複雑な根管構造の把握
  • 歯の根の周囲の骨の状態の詳細な評価
  • 歯周病の進行状況の正確な診断
  • 親知らずなど埋まっている歯の位置関係の把握
  • インプラント治療のための骨の量と質の評価
 

などが可能になります。CTは放射線量が通常のレントゲンより多いですが、歯科用CTは医科用CTに比べて放射線量が少なく設計されています。複雑なケースや根管治療が必要な場合には特に有用です。

その他の検査

  • 打診検査:歯を軽く叩いて反応を見る検査
  • 温度テスト:冷たいものや温かいものに対する反応をチェック
  • 電気歯髄診断器:歯の神経の生死を判定する機器を使った検査
  • 歯周ポケット検査:歯と歯茎の間の溝の深さを測定

治療計画:どのような選択肢があるのか

 検査結果に基づいて、歯科医師が治療計画を提案します。この際、以下のような点を考慮します:

  • 虫歯の進行度
  • 歯の構造的な状態
  • 患者さんの全身の健康状態
  • 患者さんの希望(見た目、治療期間、費用など)
 

治療計画の説明

 歯科医師は、現在の状態と治療の選択肢について詳しく説明します。この時、以下のような情報が提供されます:

  • 治療の必要性と緊急度
  • 各治療法のメリット・デメリット
  • 治療にかかる期間と回数
  • 治療費の見積もり(保険適用と自費治療の違い)
  • 治療後のメンテナンス計画
 

 患者さんは質問や不安なことを遠慮なく尋ねることが大切です。納得した上で治療を進めることで、より良い結果につながります。

治療:虫歯の進行度に応じた対応

初期の虫歯(C1):削らない治療も可能

エナメル質のみに限局した初期の虫歯では、削らない治療法が選択肢となります:

  • フッ素塗布:フッ素を定期的に塗布することで、エナメル質の再石灰化を促進します
  • PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning):歯科医院での専門的なクリーニング
  • シーラント:溝の深い歯の表面を樹脂でコーティングして保護する方法

これらの方法は、生活習慣の改善(ブラッシング方法の見直し、食習慣の改善など)と組み合わせることで、初期虫歯の進行を止め、削らずに治療できる可能性があります。

中等度の虫歯(C2):最小限の切削と充填

エナメル質を超えて象牙質に達した虫歯では、通常以下の治療が行われます:

  1. 局所麻酔:必要に応じて痛みを感じないようにします
  2. 虫歯の除去:虫歯部分のみを最小限に除去します(MI:Minimal Intervention)
  3. 充填処置
    • コンポジットレジン充填:歯の色に合わせた樹脂による充填
    • グラスアイオノマーセメント:フッ素を徐放し、再石灰化を促進する材料
    • インレー/アンレー:大きな虫歯の場合、型取りをして作製した詰め物を装着
 

深い虫歯(C3):神経の処置が必要な場合も

虫歯が歯髄(神経)に近づいている、または達している場合:

  1. 間接覆髄法:神経に非常に近い場合、特殊な薬剤を使って神経を保護
  2. 直接覆髄法:神経が少し露出した場合、特殊な材料で覆い保護
  3. 根管治療(歯内療法):神経まで虫歯が進行している場合:
    • 歯の神経を除去
    • 根管(神経の通っていた管)の清掃と消毒
    • 根管充填(根管を密閉材料で埋める)
    • 最終的な被せ物(クラウン)の装着
 

重度の虫歯(C4):歯の保存が難しい場合

歯の大部分が失われている場合:

  1. クラウン(被せ物):残存歯質を削って土台を作り、人工の冠をかぶせる
  2. ファイバーポスト:歯の根に維持を求めるために使用する補強材
  3. 抜歯と補綴処置:保存が不可能な場合:
    • ブリッジ(両隣の歯を支えにする)
    • 部分入れ歯
    • インプラント(人工歯根を骨に埋入)

経過観察:治療後の変化をチェック

治療直後の経過観察

  • 咬み合わせの確認:詰め物や被せ物が入った後、噛み合わせに問題がないか確認
  • 疼痛の有無:治療後の痛みの有無と程度をチェック
  • 歯茎の状態:治療による歯茎への影響がないかチェック
 

短期的な経過観察(1~3ヶ月)

  • レントゲン検査:根の治療をした場合、治癒状態を確認
  • 詰め物・被せ物の状態確認:脱離や破損がないか
  • 二次虫歯の有無:治療部位の周囲に新たな虫歯ができていないか
 

長期的な経過観察(6ヶ月~1年)

  • 治療歯の状態確認:問題なく機能しているか
  • 周囲の歯や歯茎の状態:治療歯の周囲に問題が生じていないか
  • 噛み合わせの変化:時間の経過による変化がないか
 

メンテナンス:虫歯の再発を防ぐために

定期検診の重要性
 虫歯の治療が終わっても、定期的な検診は非常に重要です。一般的に3~6ヶ月ごとの検診が推奨されています。これにより:

  • 初期の段階で問題を発見できる
  • 削らない治療の選択肢が増える
  • 大がかりな治療を避けられる
  • 歯の寿命を延ばせる
 

プロフェッショナルケア
 歯科医院でのプロフェッショナルケアには以下が含まれます:

  • PMTC:プロによる専門的な歯のクリーニング
  • スケーリング:歯石の除去
  • フッ素塗布:エナメル質の強化
  • ブラッシング指導:効果的な歯磨き方法の指導
 

セルフケアの指導
 ご自宅でのケアについても、歯科医師や歯科衛生士から詳しい指導があります:

  • 適切なブラッシング方法:力の入れ具合、動かし方、時間など
  • 歯間ブラシやフロスの使用方法:歯ブラシだけでは届かない部分のケア
  • 洗口剤の選び方と使い方:フッ素入りマウスウォッシュなど
  • 食習慣のアドバイス:頻繁な間食を避ける、酸性飲料の摂取を減らすなど

削らない治療の最新アプローチ

近年、虫歯治療においては「削らない」または「最小限の切削」という考え方が主流になりつつあります。

MI(Minimal Intervention)治療
MI治療は、「必要最小限の介入」を意味し、健全な歯質をできるだけ残すことを目指します:

  • 早期発見・早期対応:定期検診で初期虫歯を見つけることが重要
  • 再石灰化療法:フッ素やリカルデントなどを用いて初期虫歯の修復を促進
  • 予防的シーラント:虫歯リスクの高い溝を予防的に封鎖

 

ICON(アイコン)による浸透療法
特に初期の虫歯に対して有効な新しい治療法です:

  • 歯を削らずに、特殊な樹脂を虫歯部分に浸透させる
  • エナメル質の脱灰部分(白斑)を封鎖し、進行を防ぐ
  • 審美的効果も高い(白い斑点が目立たなくなる)

 

レーザー治療
一部の虫歯治療にはレーザーが使用されることもあります:

  • 従来のドリルよりも精密に虫歯部分のみを除去できる
  • 痛みが少ない場合が多い
  • 歯の構造を最大限に保存できる

まとめ:患者さん中心の虫歯治療

 虫歯治療は、単に穴を埋めるだけではなく、患者さんの口腔全体の健康を考慮した総合的なアプローチが重要です。現在の歯科医療では:

  1. 予防を重視:定期検診と適切なケアで虫歯を予防
  2. 最小限の介入:必要な場合のみ、最小限の切削
  3. 患者さんの理解と協力:治療計画の十分な説明と患者さんの意思決定の尊重
  4. 長期的な視点:治療後のメンテナンスも含めた包括的なケア
 

 痛みがあるときは早めに受診し、定期的な検診を習慣にすることで、より健康な口腔環境を維持することができます。不安なことや疑問があれば、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士に相談してください。あなたの歯の健康を守るチームとして、専門家がサポートします。