年齢別・正しい歯磨きの方法:赤ちゃんから小学生まで、お母さんが知っておくべきポイント

年齢別・正しい歯磨きの方法
赤ちゃんから小学生まで、お母さんが知っておくべきポイント

「うちの子、ちゃんと歯磨きできてる?」「仕上げ磨きって、いつまでやればいいの?」
お子さんの歯磨きは、お母さんにとって毎日のことだからこそ、悩みや疑問が尽きないものですよね。

この記事では、そんなお母さんたちの不安を解消するため、赤ちゃんから小学生までの年齢に合わせた正しい歯磨きの方法と、仕上げ磨きのコツを、科学的な根拠に基づいて分かりやすく解説します。この記事を読めば、明日からの歯磨きタイムが、もっと効果的で、もっと楽しい時間に変わるはずです!

この記事のポイント

子どもの歯磨きは「正しい方法での習慣化」と、
何より「親子で楽しく取り組むこと」が大切です。
年齢に合わせたケアで、お子さんの一生モノの財産である
健康な歯を一緒に育てていきましょう。

なぜ?年齢に合わせた歯磨きが大切な理由

お子さんのお口の中は、目まぐるしいスピードで変化しています。乳歯が生え始め、生えそろい、そして永久歯へと生え変わっていく…。その時々のお口の状態によって、虫歯になりやすい場所やケアの方法が全く違うのです。

だからこそ、ただ漠然と磨くのではなく、お子さんの成長段階に合わせたケアをしてあげることが、虫歯予防の最大のカギとなります。

【0歳~2歳】歯が生え始めたら:歯磨きは楽しい! を伝える時期

最初の歯(多くの場合は下の前歯)が生えてきたら、歯磨きデビューです。この時期の目標は、完璧に汚れを落とすことよりも「お口に触れられることや歯ブラシに慣れてもらうこと」。歯磨きを楽しいスキンシップの時間にしましょう。

磨き方のステップ

  • STEP1:ガーゼで慣らす
    まずは濡らした清潔なガーゼを指に巻き、優しく歯の表面を拭うことから始めます。
  • STEP2:歯ブラシに慣れる
    赤ちゃん用の歯ブラシを持たせて遊ばせたり、保護者の方が磨く真似をしたりして、歯ブラシが口に入る感覚に慣れさせましょう。
  • STEP3:寝かせ磨きに挑戦
    保護者の方の膝の上に赤ちゃんの頭を乗せる「寝かせ磨き」の体勢がおすすめです。お口の中がよく見え、安定して磨けます。
寝かせ磨きのイラスト
注意!「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」

上の前歯の真ん中にある、唇と歯ぐきをつなぐスジのことです。この部分は非常にデリケートで、歯ブラシが強く当たると痛みを感じ、歯磨き嫌いの原因になることも。指で優しくガードしながら磨いてあげましょう。

【3歳~5歳】乳歯が生えそろう:「自分で!」を育てる時期

乳歯が生えそろい、子どもの「自分でやりたい!」という気持ちが芽生える時期。この意欲を大切にしながら、「自分で磨く習慣」と「親による仕上げ磨き」をセットで行いましょう。奥歯の溝や歯と歯の間など、虫歯になりやすい場所は特に注意が必要です。

磨き方のポイント

  • まずは自分でチャレンジ
    お子さん自身に歯ブラシを持たせ、自由に磨かせます。上手にできたら「すごいね!」「ピカピカになったね!」とたくさん褒めてあげましょう。
  • 楽しい雰囲気づくり
    歯磨きの歌を歌ったり、好きなキャラクターの歯ブラシを使ったりして、歯磨きが楽しい時間になるように工夫するのも効果的です。
  • 保護者による仕上げ磨き
    お子さんが磨いた後、必ず「最終チェックするね」と言って仕上げ磨きをします。特に汚れが残りやすい「奥歯の溝」「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」を丁寧に磨きましょう。
仕上げ磨きをする親子のイラスト

【6歳~12歳】生え変わり期:一生使う永久歯を守る最重要時期

乳歯が抜け、永久歯が生えてくるこの時期は、お口のケアが最も難しいと言えます。歯並びは凸凹になり、生えたばかりの永久歯は歯質が弱く、非常に虫歯になりやすい状態です。特に「6歳臼歯」は、最も虫歯になりやすい歯として知られています。

磨き方のポイント

  • 6歳臼歯を集中ケア
    一番奥に生えてくるため気づきにくく、溝が深くて複雑な6歳臼歯。歯ブラシを横からだけでなく、斜めからも入れて意識的に磨きましょう。
  • 凸凹の歯並びに合わせる
    歯ブラシを縦に使ったり、毛先を一本一本の歯にきちんと当てたりして、磨き残しがないように工夫します。
  • デンタルフロスの習慣化
    歯と歯の間は歯ブラシだけでは汚れが落としきれません。小学生になったら、ぜひデンタルフロスの習慣を始めましょう。
  • 仕上げ磨きは継続
    自分で上手に磨けるようになったと感じても、最低でも小学校中学年(9~10歳頃)までは、保護者の方がチェックと仕上げ磨きをしてあげてください。
最重要ターゲット!「6歳臼歯(ろくさいきゅうし)」

6歳頃に乳歯の一番奥に生えてくる最初の永久歯です。食べ物を噛み砕く力が最も強く、歯並びの土台となる非常に重要な歯ですが、生えたては背が低く溝も深いため、最も虫歯になりやすい「王様」のような歯です。

今日から完璧!お母さんのための「仕上げ磨き」コツのコツ

自己流になりがちな仕上げ磨きも、少しのコツで効果が格段にアップします。

  • 姿勢:お子さんの頭を膝に乗せる「寝かせ磨き」が基本。視線を同じ方向に向けることで、お口の中が隅々までよく見えます。
  • 歯ブラシの持ち方:力を入れすぎない「ペン持ち(鉛筆持ち)」が鉄則です。
  • 動かし方:ゴシゴシと大きく動かすのではなく、5mm程度の幅で小刻みに優しく振動させるように動かします。
  • 力加減:毛先が広がらない程度の軽い力でOK。歯ぐきを傷つけないように注意しましょう。

歯磨きの「困った!」を解決 Q&A

歯磨きを嫌がって泣き叫びます。どうしたらいいですか?
無理やり押さえつけてしまうと、歯磨きへの恐怖心が植え付けられてしまいます。まずは「なぜ嫌なのか」を考えてみましょう。歯ブラシが当たって痛いのかもしれませんし、眠たいだけかもしれません。時間を変えたり、好きな動画を見せながら行ったり、たくさん褒めたりと、お子さんに合った方法を探してみてください。短時間で終える日があっても大丈夫です。続けることが何より大切です。
歯磨き粉はいつから、どんなものを使えばいいですか?
歯が生えたら、フッ素入りの歯磨き粉を使い始めるのがおすすめです。フッ素には歯を強くし、虫歯菌の活動を抑える効果があります。年齢によって推奨されるフッ素濃度や使用量が異なりますので、歯科医院で相談し、お子さんに合ったものを選んであげましょう。うがいができないうちは、米粒程度の少量でOKです。
仕上げ磨きは、いつまで続ければいいのでしょうか?
理想的には、お子さんが自分の歯の隅々まで磨き残しなく、一人で完璧に磨けるようになるまでです。個人差はありますが、少なくとも小学校中学年(9~10歳頃)までは、保護者の方によるチェックと仕上げ磨きを続けてあげることをおすすめします。その後も、時々お口の中をチェックして声をかけてあげると良いでしょう。

最後に、毎日頑張るお母さんへ

お子さんの歯磨き、本当にお疲れ様です。大変なことも多いと思いますが、この毎日の数分間は、お子さんの健康を守ると同時に、かけがえのない親子のコミュニケーションの時間でもあります。

もし歯磨きのことで悩んだり、不安になったりしたら、一人で抱え込まないでください。くみ歯科クリニックは、そんなお母さんたちの強い味方です。

院長自身も二人の息子を育てた母親です。経験豊富な歯科衛生士も在籍しており、専門的な知識はもちろん、お母さんたちの気持ちに寄り添ったアドバイスを大切にしています。どんな些細なことでも構いません。ぜひお気軽にくみ歯科クリニックにご相談ください。