
笠松町 · くみ歯科クリニック
歯ぎしり・食いしばり。
歯とあごを守るために。
朝のあごの疲れ、気づくと噛みしめているくせ。
日中と睡眠中を分けて、無理のない対策を考えます。
日中と眠っている間では、少し違います

歯ぎしり・食いしばりなどのあごの筋肉の活動を「ブラキシズム」と呼びます。起きている間の覚醒時ブラキシズムと、眠っている間の睡眠時ブラキシズムを分けて考えることが、対応の第一歩です。音が出る歯ぎしりだけではなく、静かな噛みしめや、歯が触れないままあごに力が入る動きも含まれます。[1]
日中:集中や緊張のときに
仕事・家事・スマートフォン操作中など、無意識に上下の歯を接触させ続けたり、あごに力を入れたりすることがあります。気づくための工夫が役立ちます。
睡眠中:自分では気づきにくい
眠っている間のリズミカルな動きや持続的な筋活動です。家族の指摘や朝の違和感が相談のきっかけになりますが、それだけで程度や原因を確定できません。
「歯の接触習癖」と「強い食いしばり」は同じ?
上下の歯を長く接触させるくせは、歯列接触癖(TCH)と呼ばれます。強く噛みしめていなくても接触が続くことがあり、「力を入れていないから関係ない」とは限りません。一方、食事や会話などに伴う正常な動きまで、すべて悪いくせとして心配する必要はありません。休んでいるときに歯が触れていることに気づいたら、力を抜いてそっと離しましょう。[1][2]
原因をストレスや噛み合わせだけに決めつけません
ストレス・気分、体質、飲酒、カフェイン、喫煙、一部の薬など、複数の要因が関係し得ます。日中の緊張があるから必ず夜に歯ぎしりをする、噛み合わせを変えれば治る、と単純にはいえません。ご自身を責めず、生活や睡眠の状況も一緒に整理しましょう。[1][3]
歯・あごのこんな変化は、相談のきっかけに
- 朝、あごが疲れる・痛む
- 口が開けにくい、動かすと痛い
- 歯がすり減る・欠ける・しみる
- 詰め物や被せ物が繰り返し壊れる
- 家族に歯ぎしりを指摘された
- あごの音や筋肉の張りが気になる
歯や修復物への負担、あごの筋肉の疲労や痛みに関係する場合があります。ただし、歯のすり減りには過去の習慣や酸の影響なども関係します。症状や歯の見た目だけで、現在のブラキシズムを診断することはできません。[1][3]
急な痛み・口が開きにくいときは
強い痛みや急な開口障害、歯の破折などは、まずお電話でご相談ください。できるだけ早期に対応させていただくようにします。診療状況と症状を確認してご案内します。
058-337-8785診察では何を確認しますか?

お話を伺う
いつから、日中か朝か、どのように困るかを確認します。睡眠、生活習慣、服薬、これまでの装置や治療もお知らせください。
お口とあごを調べる
歯の摩耗・亀裂・修復物、あごの動き、筋肉や関節の圧痛などを確認します。むし歯や歯周病など別の原因も見分けます。
目的と選択肢を相談
歯を守る、痛みや負担を減らす、日中のくせに気づくなど、目的を整理します。何も困りごとがなければ経過観察を選ぶ場合もあります。
変化を再確認
症状、歯の変化、装置の適合や使い心地を確認します。改善しない場合は原因と方針を見直し、必要に応じて専門的な評価につなげます。
一般的な評価の流れです。検査の種類や通院回数は状態によって異なります。[1][2][3]
CTや睡眠の検査は、全員に必要ですか?
CTは骨の状態などを調べるための画像検査で、眠っている間の筋活動を直接測る検査ではありません。症状や診察所見から必要性を判断し、一律に全員に行うものではありません。睡眠の問題が疑われる場合は医科への相談や睡眠検査などを検討します。筋活動の機器測定も、評価する目的に応じて選びます。特定の検査機器が当院にあるという案内ではありません。[1][3]
お薬手帳、使用中のマウスピース、気になる症状を記したメモがあれば、相談時に役立ちます。治療方針だけでなく、保険適用、費用、通院の見通しもご確認ください。
歯を守り、負担を減らす治療の選び方

「歯ぎしりを完全になくす」ことだけが目標ではありません。歯・修復物を守ることや、痛みと生活上の困りごとを減らすことを中心に、状態に合う方法を考えます。[1][3]
マウスピース・スプリント
歯科で作る装置は、歯への直接の負担を抑え、歯や詰め物などを守る目的で用いられます。あごの症状に対して使う場合もありますが、装着すればブラキシズムが消失するとは限りません。効果や使い心地を確認しながら使用します。[2][3]
取り外しができる一方、違和感、痛み、噛み合わせの変化、装置の破損などに注意が必要です。「副作用がほとんどない」と決めつけず、合わない場合は無理に使い続けず相談してください。使用時間と洗浄方法は、装置ごとの指示に従います。
歯を削って噛み合わせを変えれば治る?
ブラキシズムの原因を噛み合わせだけに求め、歯を削る処置を当然の第一選択にはしません。戻せない処置を検討する前に、必要性、別の選択肢、期待できる効果と限界を確認することが大切です。[1][4]
費用は、治療の目的と内容を確認してから
装置の種類・目的、診断、併用する処置により、治療内容は異なります。診察で必要性と選択肢を確認し、状態に合う方法を相談します。
咬筋へのボツリヌス注射は、どう考える?

咬筋へのボツリヌス注射は、診察で必要性を判断し、個々のケースに応じて実施します。すべての方に行う治療ではありません。
どのような働きがあるのですか?
ボツリヌストキシンAは、神経から筋肉への信号の伝達を抑え、一時的に筋肉の働きを弱める作用を利用します。噛む力や筋肉由来の痛みが軽くなる場合がありますが、歯ぎしりそのものの消失や、頭痛・肩こりの改善を保証する治療ではありません。[5]
マウスピースで改善しなければ、すぐ注射?
まず診断、装置の適合、日中の習慣、睡眠やほかの痛みの原因を見直します。2024年の筋肉由来の顎関節症を対象としたレビューでは、注射は偽薬より痛みを軽くする可能性がある一方、標準的な治療より優れるとは示されず、有害事象への注意が指摘されました。顎関節症の研究結果を、すべての歯ぎしり・食いしばりの方へそのまま当てはめることはできません。[5]
効果・持続期間には個人差
即効性、決まった効果発現日や持続月数、決まった注入回数を一律には約束できません。症状、治療の必要性、効果と副作用を評価し、繰り返す必要があるかも慎重に判断します。
知っておきたい負担・リスク
注射時の痛み、内出血、噛む力の低下、食べにくさ、左右差や笑い方の変化などが起こり得ます。筋肉や顎骨への影響も研究上指摘されており、長期・反復投与の安全性を軽く扱えません。[5]
検討する場合に確認すること
- 治療目的、診断、保存的な治療での経過、期待できる効果と限界
- 持病、服薬、アレルギー、妊娠・授乳など、安全性に関わる情報
毎日のケアは、無理なく続けられることから

日中:気づいたら、ふっと力を抜く
付せんやスマートフォンの通知を合図に、歯が触れていないか確認します。触れていたら肩とあごの力を抜き、上下の歯をそっと離します。一日中監視したり、力を入れて口を開け続けたりする必要はありません。[2][3]
夜:生活と睡眠の様子を振り返る
睡眠のリズムを整え、飲酒・カフェイン・喫煙の習慣を見直します。休息やリラックスする時間も大切です。これは歯ぎしりを必ず止める方法ではなく、負担に関わる要因を整える工夫です。[3]
あごがつらい間は、負担を控えめに
硬いものや長時間噛み続ける習慣、頬杖などを避けます。食べにくいほどの痛みや開口制限がある場合は、セルフケアだけで長く様子をみず相談しましょう。薬を飲み始めてから気になる場合も、自己判断で中止せず、処方した医師・歯科医師に相談してください。[2][3]
経過観察も治療の一部です
歯や詰め物の変化、朝の痛み、装置の摩耗や違和感を診察で確認します。通院間隔は状態に合わせて相談します。装置が割れた、痛みが増した、噛み合わせが変わったと感じる場合は、次の定期受診を待たずお知らせください。
よくあるご質問
Q.歯ぎしりの音がしなければ大丈夫?
音のない食いしばりや、歯が触れないあごの緊張もあります。音の有無だけでは判断できません。歯やあごの困りごとがあれば相談してください。[1]
Q.マウスピースは毎晩・一生必要ですか?
装置の目的や症状によって異なります。使用時間や見直しの時期を診察で決め、合わない状態で使い続けないことが大切です。
Q.費用や保険について相談できますか?
必要な診察・検査のうえで、治療目的と内容に合わせて確認します。装置や処置の必要性、保険の扱いなどは診察時にご相談ください。
参考文献
- Verhoeff et al. Updating the Bruxism Definitions(2025)
- 日本顎関節学会「顎関節症の主な治療は」
- 米国NIDCR「Bruxism」(2025年3月レビュー)
- 日本顎関節学会「その他の疑問に対して」
- De la Torre Canales et al. Botulinum Toxin-A for Myogenous TMD: Umbrella Review(2024)
国内学会の一般向け解説を土台に、2025年の国際コンセンサスと米国の公的情報を補助的に参照しています。海外研究の結果を国内の薬剤適応・保険や当院の実施状況に置き換えてはいません。文献確認:2026年9月。個別の診断・治療は診察で判断します。
KUMI DENTAL CLINIC
歯ぎしり・食いしばりのお悩み、
まずはご相談ください。
急な痛みや口が開きにくい場合は、まずお電話ください。できるだけ早期に対応させていただくようにします。
くみ歯科クリニック〒501-6064 岐阜県羽島郡笠松町北及1780-1月・火・木・金 午前午後 / 土 午前
水・日祝 休診
(祝日が平日にある週は水曜診療)院長 森川久美子