睡眠時無呼吸症候群とマウスピース治療について
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態が繰り返し起こる病気です。この症状により、以下のような日常生活への影響が現れることがあります:
- 朝起きても疲れが取れない
 - 日中の強い眠気
 - 集中力・記憶力の低下
 - 頭痛
 - いびきが大きい(同居の方から指摘される)
 - 夜中に何度も目が覚める
 - 起床時の喉の渇き
 
 このような症状でお悩みではありませんか?
実は、これらの症状が長期間続くと、高血圧や心疾患、脳血管障害などの重大な病気のリスクが高まることが分かっています。
															
															睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は以下のとおりです:
- 解剖学的要因:
- 小さな下顎(小顎症)
 - 舌が大きい
 - 扁桃腺が肥大している
 - 鼻腔が狭い
 - のどの筋肉の緊張低下
 
 - 生活習慣要因:
- 肥満
 - 飲酒
 - 睡眠薬の使用
 - 喫煙
 
 
特に、顎や舌の形状など口腔内の構造が原因となっているケースでは、歯科治療によるアプローチが効果的です。
診断方法
睡眠時無呼吸症候群の診断には、以下のステップがあります:
- 問診・診察:症状や生活習慣についてのヒアリング、口腔内の診察を行います。
 - スクリーニング検査:簡易検査装置を用いて、ご自宅で睡眠中の酸素飽和度や呼吸状態を測定します。
 - 精密検査(必要な場合):連携している内科クリニックで睡眠ポリグラフ検査(PSG)を受けていただくことも可能です。
 - 画像診断:当院では最新の「オーソフォスS 3D」CTスキャナーと「SICATエアー」ソフトウェアを導入しており、正確な気道分析を行うことができます。これにより、気道の3D画像を作成し、閉塞部位や狭窄の程度を詳細に把握することが可能です。
 
															
															歯科での治療が適しているケース
特に以下のような方には、マウスピース治療が効果的です:
- 軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群の方
 - CPAPなどの治療が合わなかった方
 - 旅行や出張が多く、持ち運び可能な治療法を希望される方
 - 小顎症など、顎の形状が原因と考えられる方
 - いびきの改善を希望される方
 
睡眠時無呼吸症候群の治療法
マウスピース治療(口腔内装置)
当院では患者さん一人ひとりの口腔内に合わせたオーダーメイドのマウスピースを作製します。
【治療の流れ】
- 詳細な口腔内診査
 - CTによる気道分析
 - 精密な型取り
 - マウスピースの作製
 - 装着・調整
 - 定期的な経過観察
 
【マウスピース治療のメリット】
- 非侵襲的で痛みがない
 - 持ち運びが容易
 - 電源不要で使用が簡単
 - 比較的安価
 - 静かで周囲に迷惑をかけない
 
【デメリット】
- 重度の症例には効果が限定的な場合がある
 - 顎関節や歯に違和感・痛みが生じることがある(調整で改善可能)
 - 装着に慣れるまで時間がかかる場合がある
 
CPAP療法
CPAPは、マスクを通じて気道に陽圧をかけ、睡眠中の気道閉塞を防ぐ機械です。重度の睡眠時無呼吸症候群に有効です。
【メリット】
- 重度の症例にも効果的
 - 即効性がある
 - 症状の改善率が高い
 
【デメリット】
- 装置が大きく持ち運びに不便
 - マスクの装着感に慣れるまで時間がかかる
 - 電源が必要
 - 保険適用でも月々のレンタル料がかかる
 
手術療法
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)や顎前方移動術などがあります。
【メリット】
- 解剖学的な原因を根本的に治療できる場合がある
 - 装置の装着が不要
 
【デメリット】
- 侵襲的で回復に時間がかかる
 - 全ての患者さんに適用できるわけではない
 - 効果が永続的でない場合がある
 
															
															費用について
マウスピース治療の費用は、使用する材料や調整回数などによって異なります。保険適用の場合と自費診療の場合があり、それぞれ特徴が異なります。くみ歯科クリニックでは保険適応での治療のみサポートします。
保険適用の条件:
- 医科医療機関で睡眠時無呼吸症候群と診断されている
 - AHI(無呼吸低呼吸指数)が5以上40未満
 - 医科からの依頼状がある
 
詳細な費用については、初診時にご説明いたします。また、治療計画に合わせて分割払いのご相談も承っております。